商品・サービスの概要
「生き物に配慮した減農薬・減肥料及び無農薬・無化学肥料」
かつての琵琶湖周辺の田んぼは、排水路を通じて琵琶湖とつながり、フナなどの湖魚にとって産卵繁殖に絶好の場所でした。しかし昭和40年代以降、農作業の効率化を図るための圃場整備などによって水路と田んぼの段差が大きくなり、田んぼに湖魚が入れなくなりました。
そこで琵琶湖周辺から水路を通じて田んぼにやってきたフナ、コイ、ナマズ等の湖魚が産卵・成育し、中干し時期に琵琶湖に戻っていくという豊かな田園環境と多様な生きものを再び取り戻すため、「魚のゆりかご水田」のための地域資源を活用した魚道づくりや、生きものに配慮した米作り(無農薬・無化学肥料)の取り組みを実施しています。
また6次産業化の取り組みとして5年前から「魚のゆりかご水田米」を活用した純米吟醸酒「月夜のゆりかご」の酒づくりプロジェクトを始動するなど、多くの方々からも非常に好評を得ており4月に販売開始したところ、4月早々には完売となっています。
商品・サービスのアピールポイント
<環境配慮性>
本団体は、生物多様性を念頭におきつつ、経済と環境との両立を図るべく、地域独自で様々な活動を展開し、農村地域の活性化を進めています。
昨今、地域農業の大規模化、省力化が進む中であえて手間暇のかかる有機農業をはじめとする環境保全型農業に取り組むことで、子どもたちからお年寄りまで世代を超えた地域の交流、にぎわいを取り戻し消費者の皆さんに「魚のゆりかご水田米」を食べていただくことで「せせらぎの郷」の生態系保全活動や琵琶湖の水環境保全活動を応援いただきたいと思っております。
この応募をきっかけに、自然環境の保全に向けた水田づくりを通し「人も生きものにもにぎわう活動」の素晴らしさを発信するとともに、SDGsの視点を踏まえた持続可能な取り組みとして、さらに活動の輪を広げていきたいと思っています。
<地域性>
農村の持つ豊かな自然環境の保全と、その取組を持続可能なものとしていくため、本年1月には地元企業と連携し、自然環境保全に対する勉強会や交流会を開催し、地元の企業さんと連携することにより新たなご意見やアドバイスをお伺いすることができました。
今年6月には地元中主小学校と連携し、滋賀ならではの琵琶湖と共生する農業や生きものや琵琶湖環境への関心を高めていただくために、出前講座を実施するなど、次世代につなげる取組も進めてきているところ。
当地域には、県内外の各大学生、大学関係者、研究者が来られ、様々な大学で学生たちに出前講座や視察研修を受け入れています。
平成26年にはCOP12(韓国)、平成28年には「世界湖沼会議」インドネシアに参加し、発表の機会に恵まれました。こうした発表を行うことにより、海外からの視察研修に来られ海外からも注目され連携する主体も地域も多岐にわたってきています。
<独創性>
平成21年度よりオーナー制を導入し、東京などの首都圏や京都・大阪などの都市住民との交流も広がり、環境に関心の高い消費者の応援と後押しにより、都市住民や大学生らの除草作業の応援を得て、27年度から無農薬・無化学肥料栽培にも挑戦しています。こうした消費者の声がダイレクトに若手農家の意欲につながり、持続的な取組として環境と経済とが両立した活動を展開しています。
活動が単に米作りだけでなく、「生物多様性保全」につながり、琵琶湖の水環境保全にも寄与していることなど、活動のストーリーがしっかりと参加者や消費者に伝わるよう努めています。
「せせらぎの郷」の「魚のゆりかご水田米」は「特A」の評価を得ていますが、米だけでなく、6次産業化として、県内の老舗酒蔵さんの協力を得て、26年4月から地域一丸となって「酒造りで地域を元気に」との思いで、県内の魚のゆりかご水田米(コシヒカリ) で作った純米吟醸酒「月夜のゆりかご」が誕生。
非常に飲みやすく、美味しいお酒として本年も早や完売しております。
<共感性>
・水田の生物多様性と人との交流、多様な人のつながりから新たなチャレンシ゛(6次産業化)へ
・農家に環境意識が芽生え、魚が産卵・生育できる生きものにやさしい環境づくりの価値を再認識
・生きものと共生したお米の価値を消費者の方々に伝える喜び(ブランド化・都市農村交流など)
過去の受賞履歴
- 2016年12月:第4回環境省グッドライフアワード環境大臣賞優秀賞(環境省)
- 2015年11月:ディスカバー農山漁村の宝(第2回)に選定(内閣府・農林水産省)
- 2011年10月:全国豊かな村づくり表彰事業 農林水産大臣賞に選定(農林水産省)
ほか多数